目が覚めた。起き上がって腕時計を見る。ナイトパック終了時刻にはなっていない。
ここは大阪環状線の新今宮駅から北に多少歩いたところにある漫画喫茶である。夜が明ければ11月6日だ。きょうの予定だが、なんでも大阪環状線の弁天町というところには交通博物館があるそうなので行ってみよう。ただしナイトパックは夜明け前には終わってしまう。ナイトパックが終われば電車は動き出すが、交通博物館はまだ営業していないだろう。
ぼくは別の漫画喫茶に行くことにした。と言うのも、今いる漫画喫茶はナイトパックはあるものの、それ以外のX時間パックがないからだ。3時間か4時間のパックだったらなんばの方の漫画喫茶の方がいい。そこで時間を過ごせば交通博物館もオープンするだろう。
夜明かしした漫画喫茶を出て、なんばに向かう。去年も通天閣からアメリカ村に向かったことがあり、似たような道なのでそれほど迷うこともない。なんとか南海のなんば駅まで来て、そこから9月にもやってきた漫画喫茶にやってきた。そこで3時間パックを申し込み、また電子掲示板を見たり飲み物を飲んだりして過ごす。
そろそろ出る時刻だ。朝のラッシュ時間も終わっていて電車もそれほど混雑しなくなったころ、なんばの方の漫画喫茶を出る。
和歌山・高野山ゾーンなので、南海のなんばに行っても良かったが、なんとなく西に歩いて、OCAT(バスターミナル)の近くの地下におりてJR難波に行く。ゾーン券で改札を通って電車に乗り、まずは今宮に向かう。電車が地上に上がったところで今宮に着くので電車を降り、大阪環状線の西九条方面に乗り換えだ。読み通り、電車はたいして混雑していなかった。ねんがらねんじゅう混雑している山手線とは違う。
大阪環状線は、3日前に特急はるかで通ったレールを逆に進んでいく。それほど住宅の多くない景色だ。大正に停まり、目的地の弁天町にやってきた。ここで降りる。さて交通博物館はどこだろう。案内を探そう。なんとか見つけて進む。やってきた。入場券を買って入ろう。
そこはこじんまりとした場所だった。古そうな鉄道車両がいくつか並んでいる。車両の一つの中には入れるようだ。
残念ながら、ぼくは車両の区別はあまりできない。お得に鉄道車両に乗れて、めずらしい場所に行けて、いごこちが良ければそれでいいと思っている。ただ、この場所のふんいきはいい。平日午前中、ほど良く客は少なく、さびれた物が置いてある。
ここ半年の間に、定期観光バスに何度も乗った。その途中で美術館に寄る機会がけっこうあった。ここに展示されている車両も美術品みたいなものだろう。
美術品の価値は良くわからないが、車両ならもしこれが動く車両だったらいごこち良さそうだなと思える分だけ交通博物館の価値はあるのではないか、そう考えた。
さて、朝食兼昼食でも食べていこう。食堂で食事だ。これでひといきついた。もうお昼だろう。交通博物館を出る。
きょうはもう宿に行くことにする。きょうの宿は旅の窓口(2003年にあった宿泊予約サイト)で申し込んだ宿で、和歌山市内にはあるが、和歌山市駅からバスに乗らないと行けない場所にあるらしい宿である。ただしそのバスが、和歌山・高野山ゾーンのゾーン券で乗れるバスらしいのだ。だからまず弁天町から和歌山市まで行こう。
弁天町の改札に戻り、ゾーン券で通る。まずは新今宮まで行こう。たいして混雑してない電車に乗り、また通天閣が見えてきて新今宮で降りる。さて、きょうは南海に乗り換えるのできのうとは違い、うしろに行かなければならない。階段を上がってゾーン券で改札を出る。
すぐそばに南海の改札がある。今度は南海用カードで改札を通る。そして和歌山市方面のホームに行く。9月10月とお世話になった南海のレールだ。また半月後にも乗る予定だ。きょうも乗ろう。
電車は大阪環状線より混んでいる。そして発車。いつもの高架のレールだ。3日前、おとといと二泊した堺を過ぎる。関西空港行きのレールが分岐していく。
そしてまた和歌山市に着いた。何度も同じ駅に来るのは、なにしろ周遊きっぷのゾーンが狭いのだから仕方ない。南海用カードで改札を通る。結果的にこのカードを使うのはこれが最後になった。
さて、これから乗るのは「雑賀崎」行きのバスだ。すぐに乗り場は見つかった。ただ、めざす宿がバス路線からどれくらい離れているかわからないのだ。まあ、どうせすぐ行ってもチェックイン時刻になってないし、途中で降りて歩いて時間でもつぶそう、そう考えた。
バスに乗って進む。きのうのマリーナシティ行きとそれほど変わらない景色だ。
ぼくは「新和歌浦」というところで降りることにした。海に近いところだ。さあ、歩こう。
旅の窓口にあった宿の地図を思い浮かべながら歩いていく。けっこう登り坂の道だ。道幅は狭いがバスはなんとか通れそうな道だ。もちろんところどころにバス停はあり、道が間違ってないことがわかる。なおも登る。
11月なので日が暮れるのは早いが、まだまだ夕暮れには早く、それでいてチェックイン時刻は過ぎたころ、ようやく旅の窓口で予約した宿に到着した。なんと宿のすぐ近くにバス停があり、そのバスには和歌山・高野山ゾーンで乗れて、なおかつ和歌山市駅にも和歌山駅にも乗り換えなしで行けるところである。
ともかく宿に入り、旅の窓口で予約しましたと言うと無事部屋に案内された。
食事なしで予約したので今日の夕食はカロリーメイトだ。それはともかくながめのいいところだなあ。きのう漫画喫茶泊まりだったから、まずは風呂に入ろう。
風呂に入ってカロリーメイトを食べるともうすることがない。そのまま眠ることにした。あしたはもうゾーン券有効終了日なのでかえり券を使って2日にも泊まった岡山に泊まることになる。おやすみなさい。