新大阪は新幹線と在来線を乗り換えようとすると方向感覚がおかしくなる駅だが、在来線同士ならそれほどのこともない。これから乗る特急はるかの出るホームにやってきた。
もちろん周遊きっぷなので自由席なら関西空港まで特急券を買う必要はない。時刻表を見て自由席の位置に並ぶ。それほど来る人はなさそうだ。
京都の方から特急はるかがやってきた。ドアが開く。まずは乗る。席は空いていたので座る。なんだ、もっと混雑しているのと思ったのに。はるかは発車する。
このルートは以前特急くろしおで通っているとは言うものの、列車が違うと雰囲気も違っておもしろい。はるかは大阪に向かう線路と分かれていき、梅田空中庭園のビルの下を進み、踏切を過ぎ、大阪の西で東海道本線の下をくぐる。
そして西九条で大阪環状線と合流する。なにしろ東京の山手線と違って大阪は、西九条〜天王寺間の大阪環状線の通るレールにはるかもくろしおも通るので大変だ。おそらくその分大阪環状線は山手線ほど本数が多くないのだろう。
左手に通天閣が見えてしばらくすると天王寺だ。あれ?降りる男がいる。あいつ新大阪で乗ってきた客じゃないか?天王寺で降りちゃうのか。特急券持ってるのかな?
新大阪から天王寺まで車掌がまわって来なかったし、それをねらって新大阪から天王寺まではるかに乗る人がいるのかもしれない。ともかく彼は天王寺で降りていく。
そして乗る客が多少いる。乗り終わると発車する。いつもの阪和線の景色だ。特急も通る路線だが、家並みが続く。そのうち車掌が来る。和歌山・高野山ゾーンのゾーン券を見せればOKだ。
はるかはスピードを上げる。しばらくは住宅が多い場所を通るが、そのうち住宅は減る。そして右に分岐して、高架に上がっていく。7月にも南海で往復した関西空港だが、きょうは行きはJRだ。いよいよ長い橋に出る。おだやかな大阪湾だ。
JRや南海の普通列車でしか通ったことのない橋を特急の上等なシートで通ると関西空港の島だ。そしてはるかは無事終点関西空港に到着した。周遊きっぷのゾーン券で無事改札を通る。
さあ、帰りは南海だ。盛岡の旅行会社で渡された南海用の券を引き換えなければならない。窓口がたくさんあったが、なんとか南海の窓口を見つけて引き換え券を渡すと、自動改札用のカードが渡された。
これは後で知ったことだが、この自動改札用のカードは、最初に南海の自動改札を通した日の4日後まで南海の自動改札を通れるカードということだ。すなわち不正に使えるということだ。
そんなこととは知らず、南海の改札に行き、カードを通す。無事通った。これから向かうのは堺だ。たぶん急行とかの停まらない駅がある電車でも停まるだろう。
電車はもちろん席はいっぱいで立つことになる。そして発車。長い橋をまた渡る。そしてJRと分かれていく。南海はJRと違って高架区間が多い。見晴らしのいい夕方の景色の中を混雑した電車がすいすいと進んでいく。そして電車は目的地の堺に着いた。電車を降りて改札に行く。この駅を使うのは4か月ぶりだ。関西空港で通した周遊きっぷの一部であるカードを通す。無事通った。
堺駅の駅前にはイトーヨーカドーがあることは4か月前に確認済みだ。まずは夕食を買っていこう。買うと南に向かう。そしてスーパーホテルのガイドブックに載っている、スーパーホテル堺マリティマに到着だ。きょうからあさっての朝まで二泊する予定である。
フロントで名前を確認すると今までのスーパーホテルと同じく、自動チェックイン機に二泊分の宿泊費を入れる。すると暗証番号の印刷されたレシートが出て来る。部屋に行ってドアの所のテンキーに暗証番号を入力するとドアが開く。ようやく休める。
イトーヨーカドーで買った夕食を食べ、服を洗濯する。いつものように石鹸を服になすりつけ、湯をかけて足で踏む。よく絞ってハンガーにかけて乾かしておく。それから風呂に入る。ここ数日は漫画喫茶に泊まることがなかったのでそんなに疲れてない。あさっては漫画喫茶泊の予定なのでホテルに泊まれる時はきちんと風呂に入って眠っておこう。もちろんここはスーパーホテルなので、朝8:30で無料朝食時間が終わってしまう。さっさと眠って朝7:00までに起きることにした。