目が覚めた。ここは岡山駅から多少歩いたところにある駅前ユニバーサルホテルである。
きょうの最終目的地は周遊きっぷのかえり券の終点、栗林公園北口(りつりんこうえんきたぐち)駅である。きょう泊まるホテルもJRならもより駅は栗林公園北口駅となる。そんなわけでたいした距離もないのだが、このホテルには無料の朝食がついてくるので、7時になったら食堂に行って朝食を食べる。きょうもうまい。
そして部屋に戻り、高松行きマリンライナーの発車時刻に合わせてチェックアウトし、岡山駅に向かう。
かえり券を改札に見せて通り、快速マリンライナーの出るホームに行く。いつものように空席はない。乗って出発だ。マリンライナーは茶屋町、児島と進み、瀬戸大橋に来た。もうすっかり当たり前の景色になった瀬戸大橋である。マリンライナーは橋をすいすい進み、四国が見えてくる。そして左に曲がる。予讃線と合流し、マリンライナーは坂出に着いた。きょうはここで降りる。
もちろん、きょう泊まるホテルのチェックイン時刻になっていないというのも途中下車の理由の一つだが、理由はもう一つある。それは去年ここで降りた時に、ここから与島というところまでバスが出ているという案内を見たからである。
与島は、瀬戸大橋が渡っていく島の一つであるが、JRには駅がなく、車なら瀬戸大橋を経由すれば船に乗らなくても行ける場所だとのことだ。
ただし去年は坂出に着く時刻が遅く、与島行き最終バスがもう終わってしまっていたのである。
タクシーで往復するという手段もあるが、もったいないのでやめている。そんなわけで早い時刻に坂出で降りたわけである。
与島行きのバス乗り場は去年と同じように見つかった。それほど待たずに乗れそうだ。
バスに乗って発車。バスはたった今までマリンライナーで通っていた瀬戸大橋へと向かっていく。
何年か前にバスで瀬戸大橋を渡ったことはあるにはあるが、夜行バスだったので気がついた時にはもう渡り終えていた。けれどもきょうはこうやって昼間のバスで通ることができる。もう一度見る瀬戸大橋である。バスはしばらく進んだ後、与島の出口に来て、本道をはずれて島の中に入っていった。そして与島の終点に到着である。
そこはいかにもみやげもの屋っぽい、道の駅っぽい場所であった。たいしたものは置いてなさそうである。島だもんなあ。結局、できるめぼしいことは、遊覧船で港から与島を一周することくらいであった。まあ与島に来た記念に一周していくか。
遊覧船に乗る。客はさすがに多くない。出航し、瀬戸大橋の下をまわっていく。
こんな旅の空の下の生活になって半年以上になり、船にも飽きるほど乗ってはいるが、こうやって瀬戸大橋を頭上に見ながらの遊覧船は気分がいいなあ。
そんなふうにして港に戻ってきた。さあ、もうすることもないし、坂出駅に戻るか。
坂出駅行きのバスは都合良くあった。乗るとバスは瀬戸大橋へとのぼっていき、すぐに四国に戻っていく。戻れば坂出駅まではすぐである。バスを降りる。
坂出駅前にはスーパーがあるが、確か高松駅前にもスーパーがあった。どちらかと言うと高松の方のスーパーの方が品物が安いので、すぐに高松に行こうと思った。それほど待たずに高松行きが来た。乗ればすぐに高松到着だ。また途中下車し、スーパーに行ってお菓子と飲み物を買っていく。
高徳線は本数が少ないのでしばらく待って、高松からディーゼル車に乗る。ディーゼル車は西→南→東とカーブして進み、かえり券の終点の栗林公園北口に着いた。ディーゼル車を降りる。これで今回の周遊きっぷ利用は終わりとなる。
きょう泊まるホテルは東横イン高松(2020年現在、東横イン高松中新町という名前になっている)である。栗林公園北口から北に進み、大通りに出るとある。東に進むと琴電の瓦町(かわらまち)があるところである。あさって瓦町から電車に乗る予定なのでそれまで二泊しよう。
ここのチェックイン時刻は16:00であるが、すでに16:00はまわっている。チェックインして何度も泊まった東横インに入る。東横イン高松には窓のない部屋があり、とても安く泊まることができて便利なのである。部屋でしばらく休む。
ここのホテルではなんと、夕食もついている。カレーだ。18:00になったので食堂に行き、カレーを食べる。きょうもうまいなあ。食べ終わると、また洗濯である。下着や上着に湯をかけて、せっけんをなすりつけて足で踏む。適当なところでよくすすいで干しておく。あさってまでにかわけばいい。そして風呂。
仕事の合間に旅をしていたころは、周遊きっぷは最大でも4日しか使えず、たいてい2日止まりだった。でも今回の和歌山・高野山ゾーンはまるまる5日間、ゆき券かえり券も含めると7日間も周遊きっぷで過ごせた。次の周遊きっぷの計画はもう立ててある。無事注文できるといいなと思いながら、眠ることにした。おやすみなさい。
【和歌山・高野山ゾーン・・完】